外保連とは

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令和6年度診療報酬改定に対する外保連要望書序文

はじめに

外科系学会社会保険委員会連合(以下外保連)は、令和6年度の社会保険診療報酬改定に向けた改正要望書を作成いたしました。本要望書は外保連に所属する114学会に要望項目のアンケート調査を行い、重複した項目を整理して、新設139項目、改正182項目(廃止8項目含む)、材料新設・改正19項目、計340項目にまとめたものであります。それぞれの項目につき、担当学会が厚生労働省の医療技術評価提案書のフォーマットに従い、各技術の有効性、安全性、経済性、普及性や、改正を要望する理由などを記載いたしました。

外保連の技術(総論や加算以外の手術、処置、検査、麻酔、内視鏡)の診療報酬改正要望は、すべて、「診療報酬に関する外保連試案」に基づいています。「外保連試案」は、手術委員会、処置委員会、検査委員会、麻酔委員会、内視鏡委員会で作成されます。今回の要望のもとになっている「外保連試案2024」は秋に発刊される予定です。各委員会では、新技術の安全性や有用性を審議し、保険収載すべきと思われる新技術を試案に収載します。また、その診療報酬点数は、基本的に人件費(技術度×必要時間×必要人数)と材料費をもとに決められています。人件費や材料費は経年的に変化するので、絶えず更新する必要があります。外保連の改正要望の新技術はすべて試案に収載されたものであり、また、その要望診療報酬点数は、上記のような過程を経て科学的に試案で決められたものであります。

令和4年診療報酬改定は+0.43%でほぼ前回並みでした。うち0.2%は看護の処遇改善のための特例的な対応に供するものであり、医科本体は+0.23%と厳しい改定になりました。また、要望項目の採択率も新設は37.8%と前回並み(39%)でしたが、改正は25%と大幅にダウンしてしまいました(前回41.8%)。令和6年改定も財政面から、これまで以上に厳しい改定が予想されています。精緻なデータが重要であり、その科学的根拠に基づいた要望を行っていくことが外保連としても極めて大切と考えています。

外保連ではこれまでの診療報酬を検討する根拠だけ(必要時間などにもとづく人件費、材料費)ではなく、手術を中心に「医療技術の新たな評価軸」を検討する取り組みも行ってきました。今後も引き続き、手術をより的確に、より精緻に評価できるよう努めていきたいと考えております。

昨今、外科診療崩壊が言われており、また特に若手外科医の減少が目立ってきています。その要因のひとつとして、外科診療が正当に評価されていないことが指摘されています。我が国の医療レベル維持のためにも、この流れを止めるためにも、科学的根拠に基づく外保連の改正要望に対応していただくよう、切にお願い申し上げます。

令和5年6月8日外保連実務委員長 瀬戸 泰之

外保連の改正要望書は、それぞれの領域の専門家と各委員会の努力によって、新しい医療の有効性や安全性をエビデンスに基づいて示し、その診療報酬を根拠に基づいて記載したものです。厚生労働省等が行う診療報酬改定に、有用な資料であると考えます。

冊子(CDROM付)(8月予定)をご希望の方は事務局までお申し込み下さい。

令和5年6月 外科系学会社会保険委員会連合 会長 岩中 督

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