日本の医療費について

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日本の医療費と医療を正しく理解するために

外科系学会社会保険委員会連合会長 出月康夫

人口の高齢化が進む中で医療費の増加が問題とされ、これ以上の増加を抑制するために次々と医療制度改革が実施されています。このような改革がこのまま進められることが本当に良いのか、医療の現場にいるといろいろな疑問が湧いてきます。国民の皆さん方も政府の発表するデータやそれをそのまま伝えるマスコミの情報を鵜呑みにするのではなく、自ら考え、発言し、行動していただきたいと思います。そのためには先ずわが国の医療の現状をきちんと知った上で判断していただくことが大切ではないかと思います。今回は、下記の項目などについて述べてみたいと思います。

目次

1) 医療費は何故増えるのでしょうか?

  1. 医療費の自然増
  2. わが国特有の医療費増加要因

2) わが国の医療費は諸外国と比べて多いのでしょうか?
また、国が支出している医療費は外国と比べて多いのでしょうか?

  1. わが国の医療費は国際的に見ると大変に少ない。
  2. わが国の医療費を誰がどのように負担しているのでしょうか?国の負担は25%、国民の負担は45%
  3. 医療制度改革で国と事業主の負担が減り、患者と国民の負担が増えている。三方一両損の実態は?

3) 医療費はどのように使われているのでしょうか?

4) わが国の医療は国際的にどのように評価されているのでしょうか?

  1. わが国の医療の評価は世界一高い
  2. 医療制度が守る国民の健康
  3. 国民は社会保障や医療、福祉の充実を望んでいる

5) このままではわが国の医療は崩壊する ―診療報酬の適正化が必要―

  1. 勤務医の我慢は限界まできている
    ―労働基準法は医師には適用されない―
  2. 病院経営を崩壊させないためには、診療報酬の適正化が不可欠
  3. 医療費の総枠規制を撤廃し、診療報酬を適正化せよ

(印刷を希望される方は、外科系学会社会保険委員会連合ホームページ内、
外保連ニュースの外保連ニュース第5号(PDF)をご利用下さい。)

(参考)出月康夫:日本の医療を崩壊させないために インターメディカ社 2005年発行