外保連とは

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はじめに

「医療崩壊」、「医師不足(特に外科系医師)」、「社会保障費2,200億円削減撤廃」といった話題が、連日のように新聞やテレビで報道されるようになっています。ようやく世間とマスコミに本邦の危機的な医療の現状が認識されてきたようです。医療危機を救うために最も必要なのが、根拠に基づいた適切な社会保険診療報酬であることはいうまでもありません。

平成20年度の診療報酬改定では、18年度の改定と同様、医療技術(外保連の要望項目の多くを占める)を重点的に評価するとされました。実際、42の新規技術の採用と62の既存技術の再評価(点数の増点等)が考慮されました。新設も再評価も、心臓、食道、肝臓など難度の高い手術を中心に、乳腺、虫垂、ヘルニアなど市中病院で多く行われる手術、放射線の診断治療に至るまで幅広く及びました。また多くの学会の数年来の強い要望であったベッセルシーリングシステム使用加算が、「超音波凝固切開装置を使用した場合に算定する」という形で認められました。結果として、外保連の要望項目の技術新設188項目中34項目、技術改正150項目中44項目はなんらかの改定を受けることができました。しかし、新設の点数は低く、改正の上げ幅は少なくて(一部は減点されて)、病院の減収が続いております。平成20年度の診療報酬改定も薬価を含めた合計では結局マイナス0.82%でしたから、当然のことともいえます。

来年は診療報酬の大改定の年ではないので、大きな改定は期待できないと思われます。そこで今回は、各学会からの新しい要望は、緊急性を必要とする2項目にとどめました。それらの合計50項目(新設23項目、改正27項目)(名称の冒頭に◎を付記)と、平成20年度の改定で認められなかった平成19年の要望項目の書き直し248項目(新設154項目、改正94項目)をあわせて、改正要望書を作成いたしました。要望項目の診療報酬点数は外保連試案に準拠しております。これらの要望に迅速に対応していただきますようお願い申し上げます。

また、外保連試案のなかで示された診療報酬点数はあくまで技術料のみであり、材料費や機械設備費は含まれておりません。社会保険診療報酬においても、材料費ほかを別算定にすることを強く要望いたします。現状のように材料費ほかも含んだ外科系医療技術診療報酬では、医学の進歩による材料費ほかの高騰により、年々病院の受け取れる実質上の診療報酬(技術料)は減少しています。このことが、病院の経営悪化と医療崩壊の大きな一因となっていますので、この問題にも早急な対応をいただきますようお願い申し上げます。

平成20年11月12日
(文責 外保連実務委員会委員長 木村泰三)

 
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pdf 要望項目【概要版】(PDF/234KB)
 

外保連の改正要望書は、それぞれの領域の専門家と各委員会の努力によって、新しい医療の有効性や安全性をエビデンスに基づいて示し、その診療報酬を根拠に基づいて記載したものです。厚生労働省等が行う診療報酬改定に、有用な資料であると考えます。

冊子(概要版)、CD-ROM(概要版・詳細版)をご希望の方は事務局までお申し込み下さい。

平成20年12月 外科系学会社会保険委員会連合 会長 山口 俊晴


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