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お知らせ
はじめに
日本の病院医療は崩壊の危機にあります。その最も大きな原因は勤務医不足です。日本に医師が少ないことが根本的原因ですが、それと共に、病院における過酷な業務に耐えかねて、勤務医が病院を“立ち去る”ことが最近の勤務医不足の大きな原因です。勤務医の業務は、領域の専門化、安全管理徹底、患者説明の増加などのため年々過酷になっています。しかも、勤務医の減少が業務の過酷さを増し、それが勤務医の新たな減少を招くというドミノ現象がおきています。特に地方の病院で顕著です。
勤務医の“立ち去り”を食い止める即効的な手立ては、勤務医の待遇改善です。そのためには病院医療に対する過少な診療報酬を適正化する必要があります。たとえば、どの先進諸国と比べても、手術に対する日本の診療報酬は非常に低い。手術すればするほど赤字になるという診療報酬では、病院は外科医に対して十分な給与と待遇を与えられません。診療報酬の適正化(原価計算に基づく診療報酬)なくして、病院医療の再生はありえないと考えます。外保連は各外科系学会の診療報酬改正に対する要望をまとめ、ここに社会保険診療報酬改正要望書を提出いたします。
また、手術や処置における診療報酬の最大の矛盾点であり、病院を経済的に苦しめる要因として以下の二つを上げ、至急に改正されることを要望します。
- 複数手術に対する加算
これまでの改定で、「主手術の診療報酬全額+従手術の診療報酬半額」がいくつかの手技で認められましたが、まだまだ不十分です。総論として上記を認めるか、適応手技の大幅な拡大(別添に項目)を要望します。
- 技術料と医療材料費の別算定
現在医療材料で診療報酬と別算定を認められているのは、特定の材料だけです。手技によっては診療報酬の半分以上が材料費です。縫合糸料やそのほかの医療材料費の別算定を総論として認めるか、別算定できる材料の大幅な拡大を要望します。
(参考資料 日外会誌108(3);153、日臨外会誌68(5);1077、日形会誌27(5);353)
の要望に対応していただきますようお願い申し上げます。
2007年6月19日
(文責 外保連実務委員会委員長 木村泰三)
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表紙【概要版】(PDF/36KB) |
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目次【概要版】(PDF/350KB) | |
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要望項目【概要版】(PDF/242KB) |
外保連の改正要望書は、それぞれの領域の専門家と各委員会の努力によって、新しい医療の有効性や安全性をエビデンスに基づいて示し、その診療報酬を根拠に基づいて記載したものです。厚生労働省等が行う診療報酬改定に、有用な資料であると考えます。
冊子(概要版)、CD-ROM(概要版・詳細版)をご希望の方は事務局までお申し込み下さい。
外保連事務局
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