外保連とは

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平成30年度診療報酬改定に対する外保連要望書序文

はじめに

外科系学会社会保険委員会連合(以下外保連)は、平成30年度の社会保険診療報酬改定に向けた改正要望書を作成いたしました。本要望書は外保連に所属する100学会(平成28年12月当時)に要望項目のアンケート調査を行い、重複した項目を整理して、新設179項目、改正238項目(廃止6項目を含む)、材料新設・改正32項目、449項目にまとめたものであります。それぞれの項目につき、担当学会が厚生労働省の医療技術評価提案書のフォーマットに従い、各技術の有効性、安全性、経済性、普及性や、改正を要望する理由などを記載いたしました。

外保連の技術(手術、処置、検査、麻酔)の診療報酬改正要望は、すべて、「診療報酬に関する外保連試案」に基づいています。「外保連試案」は、手術委員会、処置委員会、検査委員会、麻酔委員会で作成されます。また、本年度、内視鏡委員会が設けられ、内視鏡に係る技術は内視鏡試案としてまとめられ外保連試案2018には第1.2版が収載されます。各委員会では、新技術の安全性や有用性を審議し、保険収載すべきと思われる新技術を試案に収載します。また、その診療報酬点数は、人件費(技術度×必要時間×必要人数)と材料費をもとに決めます。人件費や材料費は経年的に変化するので、絶えず更新する必要があります。平成30年度改定に向けて、外保連はあらためて実態調査を行い20例以上の症例があった技術の調査データを反映させ、「外保連試案2018」を作成しています。今回の要望書はそれに則っています。外保連の改正要望の新技術はすべて試案に収載されたものであり、また、その要望診療報酬点数は、上記のような過程を経て科学的に試案で決められたものであります。

平成22年度と平成24年度の診療報酬改定では、手術診療報酬が大幅に引き上げられました。なおかつ、平成26年度改定は実質マイナスとなってしまいました。その中では、外保連試案にもとづき、手術時間が短縮された技術で減点されてしまったものもあります。それは現場の努力により短縮できたものであり、手術時間だけでは測りきれないものもあることを痛感させられた改定ともなりました。そこで、外保連ではこれまでの診療報酬を検討する根拠だけではなく、あらたな評価軸を検討する取り組みを開始いたしました。その甲斐あってか、平成28年度改定では、全体では1.03%引き下げとなりましたが、本体部分(技術料)はかろうじて0.49%引き上げとなり、301項目でプラスとなりました。今後、手術をより的確に、より精緻に評価できるよう努めていきたいと考えております。

昨今、外科診療崩壊が言われており、また特に若手外科医の減少が目立ってきています。その要因のひとつとして、外科診療が正当に評価されていないことが指摘されています。我が国の医療レベル維持のためにも、この流れを止めるためにも、科学的根拠に基づく外保連の改正要望に対応していただくよう、切にお願い申し上げます。

平成29年5月31日外保連実務委員長 瀬戸 泰之

pdf 表紙(PDF/20KB)
pdf 目次(PDF/253KB)
pdf 要望項目(参考:各1項目のみ)(PDF/2.5MB)

外保連の改正要望書は、それぞれの領域の専門家と各委員会の努力によって、新しい医療の有効性や安全性をエビデンスに基づいて示し、その診療報酬を根拠に基づいて記載したものです。厚生労働省等が行う診療報酬改定に、有用な資料であると考えます。

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平成29年9月 外科系学会社会保険委員会連合 会長 岩中 督

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